塩の味とは

ひとことに「塩」と言っても味は沢山あり、実は食材や食べ方それぞれに適した塩があります。塩の味は大半が塩化ナトリウムのため大まかに言うと同じですが、わずかに含まれる塩化ナトリウム以外のものによって変わってきます。

塩化ナトリウム以外の物というのは人工的につけられた味もありますが、主に生成工程の途中に含有されたもので、人体には無害なため取り除かれずにいたものがほどんとです。現在であれば塩以外の味を感じないくらい純度の高い塩を生成する事が出来るのですが、多くの方がそのわずかな含有物が含まれる塩を好んでいます。

塩に含まれる含有物のほかには「形状」も味覚に影響する要素です。たとえば肉のような柔らかく調理後にも塩味を残したい食材の場合、球型よりも肉に刺さる針型であれば味は調理後も残るため塩味はより強く感じることができます。

つまり「塩の選び方」というのは、食材と調理法に合わせ、塩に含まれる塩化ナトリウム以外の含有物の特性と塩の形が与える影響の組み合わせを選ぶ事です。

なので「この塩は肉に合う」という先入観のレパートリーを盲目的に信じるのは「塩を知っている」のではなく単に「塩の使い方を教わった」だけであって学んでいない食材には太刀打ちできません。
食材と調理法と食べる人の好みを踏まえて、その瞬間の正解を見つけていく方が実は「塩を知る」近道だったりします。

塩の味は大きく分けると下の4種類に分けられます。

持続系
口の中で塩辛さとうま味が長く残るので牛肉などの赤身の肉や、マグロなど赤身の魚などの食材自体にうま味と酸味の強い食材によく合う。

マイルド系
うま味の後、苦味が残る.マイルドな味わいで、イカや白身魚などの淡白で奥行きのある味わい、また刺身でも味わいにクセの少ない食材によく合う

酸味系
しょっぱさと同時に、酸味が走り、すーっと消える。相性のいい食材天ぷらなど油で揚げている揚げ物や脂の乗ったサーモンなど、油脂の多い食材のおいしさを引き出して食べる事ができる。

さっぱり系
苦味とうま味を感じた後にスッと溶けるため野菜全般の味を引き出す事が出来る。特にトマトや葉物など生のまま野菜を食べるときに最適なタイプ。

4種類ともご覧いただけるとお分かりになるように「苦み」と「うま味」という味覚と味を感じる「持続性」で分けられていて、この持続性というのは口の中で溶けるまでの時間であり溶けやすさです。

最初にも書きましたがこの味の違いは塩化ナトリウム以外の極僅かな要素が決めるだけなので、塩の味のほとんどは塩味です。塩に詳しい人でも塩単体だけを舐めて全てが分かる訳ではなく、今まで味わった塩の味の記憶と比較して知識を引き出します。

塩の道の一歩目は2種類の塩を買い、色々な料理で食べ比べてみて美味しい組み合わせを見つけていく所からはじめる所からはじめると思えば、堅苦しく考えずに気軽に試せるのではないでしょうか。

なお、私の知識不足は、愛読書だった旬がまるごとの「しお」特集(復刊熱望)や、塩に関する用語解説をしている塩辞典、たばこと塩の博物館などからの引用で補わせていただいています。